開発のキッカケはなんでしたか?
あるところで、似たキャップがあり、おもしろいなって思ったのですが、ノベルティとして使えるものではなかった。それが頭の片隅にあって。ある時、缶の口径には2種類あることに気付いて、これを組み合わせて何かできないかなって、何となく考えていました。ハッと思いつくというより、商品ができないかなぁって考えたのがキッカケですね。
開発面で、一番苦労したことは何ですか?
あー、これは、本当に苦労したのが、出来上がった時に構造はOKだったのですが、機能的にね…
ある時コーラにフタをして、運転をしていたら、気づいた時にフタが空いていましてね。…強すぎて炭酸が膨張してキャップを飛ばしてしまうことがわかったんですよ。友人にそのことを話したら「それは危ない。びっくりして事故を起こしかねない。だから、飛ばないキャップを作らないと、俺は売らんぞ!」って言われてしまいましてね…。
色々考えてもなかなか良い方法がなくて、だけどスリットを使うという方法でそれを解決していきましたね。余分な炭酸をスッと圧力で逃がして、飛ばなくて外れないキャップを作りました。で、また友人に見せたら、今度はキャップをした缶を振り出して…振ったら飛んだんですよ!「飛ぶじゃないか!!」って言われて。「これも何とかしないと俺は買わないぞ!!」って(笑)。お前に買ってもらわなくてもいい、とか思いながらも、悔しい思いをして研究しました…。これもまぁ解決しましたが、金型を作り変えるのに資金がかかりますからね…
苦労したのは開発と、新しい金型を作るかどうか、資金をどうするかって所ですね。銀行に頭を下げて、何とか融資してもらって。…わずか1か月くらいの葛藤でしたけど、一番苦労しましたね。
その友人の方の言葉で今のキャップの形になったんですね
そう!…憎たらしかったですね。当時はバカヤロー!って思いましたよ(笑)。やっぱり、そういう声に耳を傾けられたのは、今思えばありがたいことで、それがトラストにとっては大きなキッカケとなったのかなって思いますね。
では、一番のこだわりはやはり機能的なところですか?
いや、こだわったのは「名入れ」です。当時サンプルをかなり作ったというイメージですね。炭酸で飛ぶ飛ばないは、あえて言わない。それを宣伝にしない。それは安心して使ってもらえる、ということ。そこは口頭で伝えることだけに徹底しようと。そうすると、うちがお客様に伝えて、そのお客様が次のお客様に伝える。そこのコミュニケーションを大切にしてもらおうと思いまして。このエコ缶くんキャップをコミュニケーションツールにしてもらいたいなと思ったことにこだわりましたね。
会話が増えることを狙って、そこがこだわりとは、なるほどですね…
狙ったわけじゃなく、もともとそういうのが好きなんですよ。プレゼントとかサプライズっぽいものとか。誰でも楽しいじゃないですか。
今までもこれからも共通して開発者として大事にしていきたいポリシーはありますか?
やっぱり、驚きとか、ハッとするものを作ること。それがトラストの原点だと思います。
そこには、グレーゾーンのものは作らない、人まねするようなものは作らない、ことですね。既にある商品をアレンジしていく、そこら辺は勝負になりますけどね。
誰かが作ったものを、全くそのまま商品にするとか、ちょっと手を加えて出す、とかではなくて、トラスト独自のおもしろいねっていう商品を開発することがお客様にとっても楽しいし、売る人も楽しんでくれるかなって思うんです。新しい、楽しいエネルギーを世の中に出すことが、トラストの一番大事なところです。
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